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節税のために新規事業を始めてもよい?メリットと注意点を解説
2026年07月23日
利益が出た法人の中には、節税を意識して新規事業を検討する会社もあります。
新規事業に必要な広告費や人材教育費などは、経費として扱われる場合があります。設備や内装についても、減価償却を通じて費用に計上するのが一般的です。
ただし、新規事業はお金を使えば節税できるという単純なものではありません。事業が赤字になれば、本業で得た利益や手元資金まで減ります。
この記事では、節税を意識して新規事業を始めるメリット、失敗しやすいケース、税理士へ確認したい内容を解説します。

コンテンツ
節税目的で新規事業を始めてもよいのか

節税をきっかけに新規事業を検討すること自体に問題はありません。
ただし、最終的な判断基準は節税額ではなく、事業として利益を出せるかです。
新規事業へお金を使うと、会社の現金は減ります。税負担が軽くなっても、投資額以上のお金が戻るわけではありません。
新規事業を始めるなら、税務上の処理と事業の収支を分けて確認してください。
新規事業への支出が経費になる場合はある
新規事業に必要な支出は、内容によって経費になる場合があります。
たとえば、広告費、消耗品費、専門家への相談料、研修費などです。事業との関係が明確で、その事業を進めるために必要な支出であれば、費用として処理できる可能性があります。
ただし、支払ったものがすべて経費になるわけではありません。設備や内装のように、資産として扱う支出もあります。
契約や購入の前に、何の費用として処理するのかを税理士へ確認しましょう。
設備や内装は減価償却になる場合がある
新規事業で購入した設備や施工した内装は、減価償却の対象になる場合があります。
減価償却とは、取得した資産の金額を、使用できる期間に分けて費用計上する方法です。購入した年度に全額を経費へ入れるとは限りません。
たとえば、機械、什器、空調設備、内装工事などは、資産の種類や耐用年数によって処理が変わります。
購入年度にどの程度を費用計上できるかは、契約前に確認してください。
支出した金額がそのまま節税額になるわけではない
新規事業に使った金額が、そのまま税金から引かれるわけではありません。
経費が増えると課税対象となる利益は減ります。しかし、減る税額は会社の所得や税率、支出の処理方法によって変わります。
たとえば、100万円を使ったからといって、税金が100万円減るわけではありません。会社からは100万円が出ていき、その一部が税負担の軽減として反映されます。
節税額だけでなく、支出後に残る現金も確認しましょう。
節税だけを目的に始めるのは危険
新規事業を節税だけで選ぶのは危険です。
税金を減らせても、事業から利益が出なければ会社の資金は減り続けます。家賃や人件費などの固定費を抱えれば、翌年度以降も支払いが発生します。
また、経営者や社員が新規事業に追われ、本業の売上が落ちる可能性もあります。
「経費になるから始める」のではなく、顧客がいるか、運営できるか、投資を回収できるかを確認したうえで判断してください。
節税を考えて新規事業を始めるメリット
新規事業への投資には、税負担の軽減以外にも経営上のメリットがあります。
本業で得た利益を新しい設備や仕組みへ使えば、将来の売上を作れます。本業以外の収益源が育てば、一つの市場だけに依存する状態も変えられます。
節税はきっかけとして考え、会社に何が残るかを見て投資先を選びましょう。
本業の利益を将来の売上へ変えられる
新規事業へ投資すると、本業で得た利益を将来の売上へ変えられます。
利益を会社に残すだけでは、新しい収益は生まれません。設備、広告、商品開発などへ使い、新規事業が軌道に乗れば、翌年度以降の売上を作れます。
ただし、投資すれば必ず回収できるわけではありません。
投資額、必要な売上、黒字化までの期間を計算し、無理のない規模から始めてください。
本業以外の収益源を作れる
新規事業を始めると、本業以外の収益源を作れます。
本業だけに依存している会社は、業界の不況や主要取引先の契約終了による影響を強く受けます。別の市場から売上が入れば、本業が落ち込んだ際の支えになります。
ただし、本業と同じ顧客や同じ需要に依存する事業では、十分な分散にならない場合があります。
本業との関係だけでなく、顧客層や売上が生まれる仕組みも確認しましょう。
設備やノウハウを会社に残せる
新規事業への投資によって、設備やノウハウを会社に残せます。
広告や一時的な支出は、実施が終わると効果も止まる場合があります。設備、業務マニュアル、顧客管理の仕組みなどは、その後の運営にも使えます。
フランチャイズへ加盟する場合は、本部の運営方法や集客手順を学べることもあります。
経営リスクを分散できる
新規事業が育てば、経営リスクを分散できます。
一つの事業だけで会社を支えていると、その市場の変化が会社全体へ影響します。収益源が複数あれば、一方の売上が下がっても、もう一方で補える可能性があります。
ただし、新規事業へ資金を使いすぎると、本業の経営まで不安定になります。
本業に必要な運転資金を残し、会社全体のリスクを増やさない範囲で投資してください。
節税目的の新規事業で失敗しやすいケース
節税目的の新規事業では、「年度内にお金を使いたい」という焦りが判断を狂わせます。
急いで契約すると、需要調査や資金計画が不十分なまま事業を始めることになります。初年度の税負担が軽くなっても、その後に赤字が続けば意味がありません。
よくある失敗を確認し、契約前に避けられる問題を減らしましょう。
決算前に慌てて事業を決める
決算前に慌てて新規事業を決めると、事業性を十分に確認できません。
節税に間に合わせようとすると、物件、設備、契約条件などを短期間で判断することになります。複数の事業を比較する時間もなくなります。
新規事業は、決算直前に探すものではありません。
本業が好調で、資金と時間に余裕がある段階から検討し、節税の期限ではなく事業計画に合わせて始めてください。
必要のない設備を購入する
経費や減価償却を目的に、必要のない設備を購入するのは避けましょう。
使わない設備でも、購入代金は会社から出ていきます。保管費、修理費、保険料などが追加で発生する場合もあります。
安く買えたとしても、売上や業務効率に貢献しなければ投資とはいえません。
購入前に、誰が何の業務で使うのか、どの程度の利益や時間削減を見込めるのかを明確にしてください。
初期費用だけを見て始める
新規事業は、初期費用だけで判断してはいけません。
開業後には、家賃、人件費、広告費、システム料金、ロイヤリティなどが発生します。初期費用が経費や減価償却の対象になっても、毎月の支出が重ければ資金繰りは悪化します。
契約前には、開業費と運営費を分けて確認してください。
売上が少ない状態でも、何か月続けられるかまで計算しておきましょう。
税金より大きな赤字を出す
節税できた金額より、新規事業の赤字が大きくなるケースがあります。
たとえば、税負担を軽くするために事業を始めても、集客できずに家賃や人件費を払い続ければ、会社全体では損失が増えます。
節税は、赤字を出すことではありません。
新規事業単体の収支を毎月確認し、赤字額が事前に決めた基準を超えた場合は、縮小や撤退を判断してください。
税務処理を確認せず契約する
税務処理を確認せずに契約すると、想定していた年度に費用計上できない場合があります。
設備や内装は、契約日や支払日だけでなく、事業に使用し始めた時期が関係することもあります。また、支出内容によっては、経費ではなく資産として処理します。
税制や特例には対象者、設備、申請時期などの条件があります。
契約後では間に合わない手続きもあるため、購入や契約の前に税理士へ相談してください。
新規事業を始める前に税理士へ確認したいこと

新規事業を始める前には、事業計画とあわせて税務処理を確認してください。
税務上の扱いは、会社の資本金、事業内容、購入する資産、使用開始時期などで変わります。また、利用できる制度があっても、事前申請や認定が必要な場合があります。
少なくとも、次の4点は契約前に税理士へ確認しましょう。
経費と資産計上の区分
まず確認したいのは、支出を経費として処理するのか、資産として計上するのかです。
広告費や消耗品費のように、その年度の費用になるものもあります。設備や内装などは、資産として計上し、複数年に分けて減価償却する場合があります。
区分が変われば、その年度に計上できる費用も変わります。
見積書や契約書を税理士へ見せ、項目ごとの処理を確認してください。
減価償却の方法と期間
設備や内装を購入する場合は、減価償却の方法と期間を確認しましょう。
資産の種類によって耐用年数が異なるため、同じ金額でも毎年計上できる減価償却費は変わります。少額の資産については、一定の条件で異なる処理ができる場合もあります。
購入年度に想定していた金額を費用計上できないと、節税計画も変わります。
契約前に、年間の減価償却額を試算してもらいましょう。
利用できる税制や特例
中小企業向けには、設備投資に関する税制や特例があります。
ただし、会社の規模、業種、設備の種類、取得時期によって利用できる制度は異なります。事前の計画認定や証明書が必要な制度もあります。
制度の対象外であれば、想定していた特別償却や税額控除は受けられません。
設備を購入してから調べるのではなく、見積もりを取った段階で確認してください。
投資後に残る手元資金
税理士には、投資後に会社へ残る手元資金も確認してもらいましょう。
節税効果があっても、支払いによって現金が不足すれば、本業の給与や仕入れに影響します。借入金の返済や納税予定も含めて考える必要があります。
新規事業へ使える金額と、本業のために残すべき金額を分けてください。
税金がいくら減るかだけでなく、投資後の資金繰りまで試算することが必要です。
節税を意識した新規事業としてレンタルオフィスFC
節税を意識しながら、将来の収益につながる新規事業を探している場合は、レンタルオフィスFCも選択肢です。
レンタルオフィスは、個室や設備を利用者へ提供し、月額利用料を得るビジネスです。商品在庫を仕入れる必要がなく、予約や入退室管理もシステム化できます。
また、法人や個人事業主との契約が継続すれば、翌月以降の売上を見込めます。本業とは異なる継続収益を作りたい法人にも検討できるモデルです。
ただし、物件取得費、内装費、システム料金などの支出が、すべて契約年度の経費になるとは限りません。税務処理は契約前に税理士へ確認してください。
